佐津間純デビューアルバム『Jump for Joy』



僕の大事な音楽仲間、佐津間純がファーストアルバムを発表します。
彼に最初に会ったのは13年前。当時高校生の彼がこれから洗足音大に入るという時だった。それからバークリーに行き、卒業後はニューヨークに拠点を移し、日本に帰国。
僕と同じ道を歩んできた彼が、いよいよアルバム発表。セッションしたりよくご飯を一緒に食べて色んな話をして、この13年を知っている僕としては感慨深いものがあるわけです。


ギターは楽器の特性上、クラシックからロックまでとても様々なスタイルに適応することができる楽器で、ジャズの中に限ってみてもかなりの数のスタイルがあります。
佐津間はケニー・バレルを敬愛し、そのオールドスクールなサウンドは現代のジャズシーンではとても貴重な存在です。
シンプル故に、素材(1つ1つの技術:音色やグルーヴ、コンピングにヴォイシング等)の善し悪しが現れやすい、ストレートなスタイルです。
ごまかしが効かない、相当な勉強と経験が必要なとても難しいスタイルです。


昨晩CDを聴いて、この超ストレートな演奏に感服しました。
本当に美味しい小料理屋が作る、シンプルな焼き魚定食のよう。
炭火で焼いた魚に、ほくほくのお米に出汁のきいた椀もの。素朴な香の物と煮物を少し添えて。
日本人で良かったぁとDNAが喜ぶような和食を食べているような感覚。
とても味わい深い音楽です。職人です。


特筆するべきことはやはり音ですね。
彼はとりわけとても貴重なヴィンテージギターを使っているわけですが、それを使っていい音が出るかは、やはり本人のテクニック次第です。
楽器が喜んでいるのではないでしょうか、本当に気持ちの良い音です。

選曲も楽しい。アルバムタイトルトラックを含むエリントンナンバーを2曲、ジョビンの曲も入り、そして本人のオリジナルもたっぷり聴けます。
これぞジャズギターというアルバム。
12月18日発売です。是非聴いて下さい。



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