自分の全てを受け入れること

コンペティションを除いて音楽はスポーツのように点数やタイムを競うことはない。
それでも表現方法やテクニカル的な部分で、出来る出来ない、上手下手というのは明確に分かる。
みんなそれぞれ自分と戦って切磋琢磨して少しずつ上達していく。
すぐに目標達成することもあれば、何年も習得できないこともある。

僕は大抵音色に悩んでいる。何年も。
もっと良い音色出したいといつも思っている。
「良い音色だね」と、ミュージシャン仲間やお客さんに言ってもらえると、それは嬉しい。
しかしその反面そうは思わない事もよくある。その音色がウィークポイントと感じる事がある。

ただ、最近はそれを全て受け入れるようになってきた。
自分が思っている弱点を皆んなが褒めてくれる、それはもしかしたら個性なのかもしれないと考え、それを受け入れる事ができるようになってきた。

実は弱点と個性は表裏一体なのではないか。

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ミュージシャンは「俺なんて私なんて」という人が多い。もちろん卑下するする気持ちも分かるし、表現したい事を難なく表現できる技術は可能な限り高めるべきでと思う。
そりゃチャーリー・パーカーを聴けば、まだまだ自分はと思うし、近づきたい・超えたいと思うのがミュージシャンの心理だろう。
ただ、ずっとそういう気持ちでいるのは勿体ない。成長過程は苦しみながらもがきながら演奏しないといけないかもしれない。それでもそれを楽しめるようになるとその先は楽しくなる。

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チンさんの愛称で親しまれている日本を代表するベーシスト、鈴木良雄さんのバンドに7年在籍した。
一緒に演奏していた頃は「ステージに上がればミュージシャンはまな板の上の鯉」とよく仰っていた。
若さ故「そんな事分かってるよ」と内心思っていた。(チンさんすみません)
自分で培ってきたこと、様々な経験がそのミュージシャンを形成する、結局最終的には自分自身の問題だと思っていた。
もちろんそうではある。
しかし、その本来の意味をようやく最近分かってきたように感じる。

自分の全てを受け入れること。
その上でまな板の上の鯉という言葉が成り立つと思う。
自分の全てを受け入れることはとても勇気のいる事。
嫌な面も自分の一面、個性と受け入れること。
Embrace Yourself.
英語で言うと、このembraceという言葉は良く使われて、日本語に訳しづらい単語だと思うが、この単語を意味することは深い。

僕はなかなかそれが出来なかった。
もちろん今でもその日の精神状態で受け入れる事が出来ない日もある。
けど、少しずつそれが出来るようになってきたかなと思う。

来年はもっと自分をさらけ出していこうと思う。


ブルー京急:北海道ほたて号

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来年もよろしくお願いいたします!
来月はリーダーバンド「山田拓児FOLKLORE」の定例公演があります。

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