Ella Fitzgeraldが歌う East of the sunを考察する
スタンダード曲を研究する(歌詞付き) VOL.1 East of the Sun (and West of the Moon) ------------------------------------------- ジャズのスタンダード曲は歌詞が付いている曲と歌詞が付いていない曲の2つあります。 歌詞がついている方は、主に1920年代から30年代に流行った曲、映画音楽やブロードウェイなどの舞台音楽で当時のアメリカのポピュラーソングをジャズミュージシャンが演奏し後世まで語り継がれた曲です。 一方歌詞が付いていない曲は、主に1940年代のbebopという音楽スタイルが流行した頃から現代に至るまでの曲です。 今回は歌詞付きのスタンダード曲の演奏方法を考察していきます。 歌詞付きのスタンダード曲は歌詞なしに比べて自由度が高く、歌手や演奏者によってメロディーの解釈がかなり変わります。本来市販の楽譜は(歌詞付き・無しに関係なく、メロディーとコードのみ書かれた楽譜をリードシートと言います)とてもシンプルで、最低限の情報しか楽譜に記されていません。これを元に自分なりの解釈で歌ったり演奏したりします。 では、どのようにメロディーを演奏するべきか? 多くのインスト楽器のプレイヤーは歌詞が書いていないリードシートを読んでメロディーを覚えることが多いと感じます。しかし、完璧な楽譜はほぼ存在しないことに加えて、歌詞が書かれていない楽譜はメロディーが簡素化され音符が省略されているものや、メロディーがオリジナルとかけ離れているものがが多々あります。 それらの楽譜を元にするより、歌詞付きのリードシートを使った方が解釈が深まりオリジナリティ溢れる、毎回違う演奏を可能にします。 なぜそれが可能か? 歌詞が付いている方がフレーズが分かりやすいことが一点。ワンフレーズ毎の区切りが分かりやすく、さらにそのワンフレーズの中でも細分化しリズムを変える(音価を変える)ことができる。 そしてもう一点、英語は日本語に比べてリズムがある言語です。日本語は大抵音符1つにつき1つの母音や子音が割り振られますが、英語は1つの音符に3個以上母音(二重母音というものもあります)や子音が含まれることもあります。他にも英語独特の要素がありますが